相続開始(被相続人の死亡日)の時に被相続人の財産に属した一切の権利義務のことです。ただし、被相続人の一身に専属したもの(墓地、墓碑、神仏壇、神仏具などの祭祀財産)は、相続財産に含まれません。(民法896条)相続財産は、プラスの財産である積極財産とマイナスの財産である消極財産に分けられます。
<積極財産>
・不動産(土地・借地権等/建物・借家権等/構築物等)
・事業(農業・漁業)用財産(機械器具、備品・商品、車両等)
・現金、預貯金、小切手等
・有価証券(証券、株券、債券、受益証券等)
・家庭用動産(家具、自動車、貴金属、書画骨董品、ヨット等)
・ゴルフ会員権、電話加入権、著作権
・立木
・その他(未収金、貸付金、売掛金等)
<消極財産>
・借入金、買掛金、未払金
・未納税金(国税、地方税など)
↑ページの先頭へ
★相続財産で、気を付けること!
(1)生命保険金、退職手当金等
被相続人の死亡により取得した生命保険金、退職手当金等は死亡後の取得
であって相続財産ではありませんが、相続税法上では「みなし相続財産」と
して、課税の対象になります。
@死亡保険金…民法上は亡くなった人の財産ではなく、亡くなったこと
によって契約上指定された人が受取る財産です。しかし相続税法上は、
公平性の見地から、相続財産とみなされて、相続税が課せられます。
ただし、生命保険金(死亡保険金)は残された遺族の生活保障という面
もあるため、一定額までは非課税財産として控除されます。
みなし相続財産=
生命保険等の金額×(被相続人が負担した保険料÷払込保険料の総額)
課税価格=みなし相続財産−500万円×法定相続人の数
(法定相続人の数には、相続放棄した人も含みます)
A死亡退職手当金等…被相続人の死亡により支給された退職手当金、功
労金その他これに準ずる給与(死亡後3年以内に支給額が確定したもの)
は、みなし相続財産として、下記計算式で表されるよう一定額が控除さ
れて課税価格が決まります。
課税価格=みなし相続財産−500万円×法定相続人の数
(法定相続人の数には、相続放棄した人も含みます)
また、葬祭料、花輪代、弔慰金等は非課税となりますが、弔慰金等には
社会的に認められる限度があります。退職手当金等と認められるものを除
いて、業務上の死亡の時は普通給与の3年分、業務上の死亡でない時は普
通給与の半年分までの金額は、退職手当金等にみなされません。
(2)3年以内の贈与
相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産も、相続財産にプラス
されます。
(3)慰謝料請求権
判例では、慰謝料請求権を被相続人の一身専属的なものとみなし、被相続人が
慰謝料の請求をして死亡しない限り、相続財産として認められないものとして
きましたが、現在では、被相続人が機会を与えられれば慰謝料請求をしたであ
ろうと認められる場合には、慰謝料請求権も相続されるとしています。
(4)葬式費用
被相続人の葬式に際して相続人が負担した費用は、相続財産価額から控除で
きます。
・寺院、神社、教会などへの支払い
・葬儀社、タクシー会社などへの支払い
・お通夜に要した費用
※ただし、墓地・墓碑等の購入費用、香典返しの費用や法要に要した費用など
は含まれません。
↑ページの先頭へ
|